今回新たに、ゼロドロップや、オリジナルのフットシェイプを特徴とする「アルトラ」のハイクシューズを買ったのでレビューしていくよ!
おはこんばんわ!サフィンです。
今回、初の試みとして、中身を2部構成でお送りしたいと思います。
その第1部は「ファーストインプレッション」と題し、①購入した理由や②シューズの特徴など、細部に至るまで徹底分析していきます。
第2部(次回)では「数ヶ月間、実際の登山で使用した感想(分析の検証)」をいつものように「忖度なし」でお届け予定です。
もし、このシューズの購入を考えられている方がみえたら、1部、2部とも読んで頂く事をおすすめします。
それでは第1部の始まりです!!
軽さ、気軽さ、お金、の間はざまで揺れ動く「俺」。
皆さん、おはこんばんわ。
正直、自分でもこの日が来るとは思いもしてませんでした。
のっけから、いつも唐突ですみませんね・・・。
それは何かと言うと「新たな登山靴探しの旅」です。
今現在、履いている登山靴は過去に何度も登場している「ローバーのタホーちゃん」です。
特に不都合なく快適な登山ライフを「タホーちゃん」と仲良く送れています。
ではなぜ、新たな登山靴が欲しいと思うようになったのか?
かれこれ「タホーちゃん」も4年目を迎え、アウトソールの減りが著しく、今年の夏をタホーちゃんと一緒に歩むのが「心配(危険)」になってきたからです。
ソール交換2万円也!!
ちょっと躊躇する。
加えて僕のタホーちゃんはオイルをいっぱい吸って大きくなっているので「重い」んです。
時代(素材)の進化と共に、軽くてもしっかりした造りの登山靴がある事は以前から知っていました。
前まで「質実剛健がいい」とか言っていたくせに!
昨今は登山靴にも軽量化の波が押し寄せ(?)、有名ブランドから毎年のようにニューモデルが発表される現状を横目に「目を合わせないように(そむけて)」過ごしてきました。
お前、古いタイプの人間だな。。
ただ、日帰り低山を「タホーちゃん」では物々しく感じる場面もあって、サポートがしっかりした造りなら、むしろ「軽い」方が良いんじゃない?に意識が変化してました。
加えて防水タイプならアルプスの縦走中に雨に降られても平気だし。
そこで辿り着いたのが【ALTRA OLYMPUS 5 HIKE MID】です。
「ALTRA(アルトラ)」を選んだ理由
皆さんは「ALTRA」の「2つの特徴」(+1枚の写真)をご存知でしょうか?
むしろ、今から紹介するこれらの「2つの特徴」(+1枚の写真)が無かったら「軽量登山靴の類」は選ばなっかたと思います。
よって「ALTRA」は、僕にとって必然の選択でした。
特徴1:ゼロドロップ
皆さんもう既にご存知であろうゼロドロップ(踵と爪先の高低差ゼロ)の詳細説明は割愛します。
長年に渡るマラソン、トレランの経験から、ゼロドロップの有効性については、私自身がよく認識していました。
ランニングによって生じる膝や腰の痛みが、ゼロドロップがもたらす「フォアフット走法」に変えてから解消されたほどです。
ゼロドロップシューズを持っていない人は、ジムのランニングマシーンを素足で走ってみてください。
自ずと、フォアフット100%になりますので。
なぜって?やればわかるさ。
素足だと1分も続かんよ。
また、「自作ワラーチ」も強制フォアフットに有効です。
全ての材料が東急ハンズで、低コストで、しかも自分好みにソールの厚みを調整出来るのでおすすめです。
(余談)ワラーチは夏の暑い日、無性に履きたくなる中毒症状が出てきます。
話を戻しますが、ゼロドロップシューズを履くことによって、「ヒールストライク」から「フォア〜ミドルフット」に変わり、接地による膝腰の痛みや疲労から開放され、人本来の自然な歩行が可能になるのです。
補足:ゼロドロップは下山が怖くない!(重要)
更に、ゼロドロップがもたらす登山における有効性を「もう1つ」加えておくと、「下山時」における接地の安定性です。
・皆さんは登攀と下山どちらのパートが安定性を欠く様に感じますか?
・また、下山でつま先がシューズ当たって痛くなりませんか??
・それって、踵の高いシューズを履いている事が原因だとしたら???
上の図は下山時、ヒールの高さ違いによる理想的な足の置き方を示した図になります。
あくまで理想ですよ。
実際には体が少し後傾するので直角には立てないと思います。
これから説明する話の主旨が伝わりやすいように描きました。
早い話、地面に対し真上から直角に力が加われば(ソール全面で地面を踏み込めれば)滑って転んだりはしません。
図で示したように、踵が高いと、 ①つま先方向へ力が集中し、②膝下が前傾し、③膝を曲げて上体を反る為、④バランスを崩しやすくなります。
要は、平地を歩くように下山時も歩けばいいのです。
そんな簡単には無理に決まってるじゃん!
もちろん経験とテクニックはいるよ。
ある一定のスピード、リズム、ストックの置き方、等々、
トレランで養った経験から言っとるのかね。
踵の高いシューズだと下山での斜面の角度も加わり、尚更踏ん張りが効かせ難くなります。
また、下りはスピードも加わる為、恐怖を感じ重心が後方(踵)に移って転倒に繋がります。
しかし、ゼロドロップシューズを履くことで、これら不安要素が少なからず解消されると思います。
下山に苦手意識の有る方は、次回シューズ選びの候補に「アルトラ」を加えてみてはどうでしょうか。
特徴2:フットシェイプデザイン
アルトラには上の3シェイプ(赤)とWIDEが用意されており、モデルによって使い分けがなされています。
今回購入したオリンパスには一番幅広の「ORIGINAL」が採用されています。
フォア〜ミッドフットによって前足部が地面に接地した際、横アーチが衝撃を吸収しながら沈み、指先の広がりを邪魔しないシェイプになっています。
私の左足は外反母趾を患っており、左右差が1cmもある為、長時間歩くと擦れで痛みを伴います。
タホーちゃんとの出会いで緩和されたものの、解消には至っておりません。
その為、アルトラのフットシェイプには大いに期待を寄せています。
実際の効果の程については数ヶ月、様々なシュチュエーションで履いてみないと分からないので、今は言及を控えさせて頂きます。
1枚の写真
尾瀬で歩荷をしている渡辺さんの写真と記事を読んで、購入意欲に拍車が掛かりました。
映像美もさる事ながら、渡辺さんの足運びが丁寧で綺麗なので、そこに注目して見て欲しいです。
「OLYMPUS(オリンパス)5 HIKE MID」を選んだ理由
次は、アルトラの中から「OLYMPUS(オリンパス)5」、しかも「ハイク ミッド」を選んだ理由について、他の有力候補と比較して説明します。
他の候補とは言わずもがな、アルトラの代名詞とも言える「LONE PEAK(ローンピーク)」です。
その中でも(先日発売されたばかりの)より登山向きな「ALL-WTHR MID 2 (オールウェザー ミッド 2」です。
OLYMPUS 5 HIKE MID GTX | LONE PEAK ALL-WTHR MID 2 | |
重量 | 528g | 428g |
ミッドソール | Compression Molded EVA | Altra EGO™ |
アウトソール | Vibram® Megagrip | MaxTrac™ |
クッション | Max | Moderate |
スタックハイト | 33 mm | 25mm |
アッパー | GORE-TEX PRODUCT ヌバックレザー | 防水ブーティ構造 eVent® |
フットシェイプ | ORIGINAL | ORIGINAL |
価格 | 29,700円(税込み) | 26,400円(税込み) |
GearLab Score | レビュー無し | 67 #12of17 |
カタログスペックを比較掲載してみました。
「OLYMPUS(オリンパス)5」は、ソールがMegagripだったり、防水メンブレンにGORE-TEXが使われていたりとパッと見良さそうですが、それよりも私が最も気にした部分はアッパーの素材です。
アッパー素材の違い
「オリンパス5」のアッパーが「ヌバックレザー」に対し、「ローンピーク」は「合成繊維(ナイロン)」です。
我がタホーちゃんも全身「ヌバックレザー」で覆われており、これまでの山行で硬い枝や、鋭利な岩で擦れたり傷ついたりしても、後日、ワックスでお化粧直ししてあげると、ほぼ元通りに回復してくれるなど、絶大な信頼をよせています。
ここで察しの良い人はお気付きでしょうが・・・
「オリンパス5」にもワックス加工で「防水性」と「保護性」を更にアップしてやろうと目論んでおりやす。
後日談を乞うご期待ね!
一方、「ローンピーク」は「合成繊維(ナイロン)」なので、耐久性に一抹の不安が残ります。
海外アマゾンからのレビューですが、たった1日で穴が開いてしまったと報告されています。
アウトサイドは小枝によく引っかかるので、高い耐久性が必要な部分です。
屈曲の繰り返しによる摩耗も起こります。
HIKE MID(ハイクミッド)である必要性
これに関しては「捻挫防止」が最たる目的で、加えてシューズ内への「浸水レベル」がくるぶしより上に位置するからです。
「オリンパス5」のスタックハイト(=ソール厚)は33㎜で「ローンピーク」の25㎜より、+8㎜のアドバンテージを稼いでいます。
ただし、一般的にスタックハイトが高いと安定性に欠けるため、捻挫しやすくなりますよね・・・
昔トレラン時代にスポルティバの「ラプター」で絶対と言っていいほど捻挫してたの思い出した。。。
実際の山で捻挫検証してきなさい!
外観について
改めて特徴ある外観を一つづつ見ていきましょう。
足首を覆う部分は肉厚でクッション性が高い素材が採用されフィット性が高められてます。シューズ内の蒸れを効率よく吸収拡散してくれます。
甲のタンも肉厚で、両サイドが上方まで伸びているので、小石などがシューズ内へ入りにくくなっています。
ガイドレール:高速道路?にある縁石のような働きで、足が外側に動きすぎないようにサポートが必要な時にだけその役割を果たし足を支えます。
ヒールストラップ(勝手に命名):これ要る??下山時に枝とか引っかかって危なくない???
叡智の結集とも言える「ソール」について
ソールの位置(色)で異なるラバーの硬さ
オリンパス5のソールにはMegagripが採用されているわけですが、「全面」という訳ではなさそうです。
3色に色分けされたソールには「それぞれ異なる硬さ」のコンパウンドで構成されてます。
地面とのファーストタッチにより、耐久性&グリップが最も求められる「ブラック」の部分にMegagripが採用され、最もラバーが硬いです。
そして、ストップと蹴り出しを担う「ブラウン」(外周)が次いで柔らかく、中央の「ホワイト」で衝撃吸収させる為、最も柔らかくなっています。
ソールの色 | 硬さ | 配置 |
ブラック | ★★★ | 前足部と踵 |
ブラウン | ★★☆ | 外周 |
ホワイト | ★☆☆ | 中央(土踏まず) |
購入後、改めて見ると良く考えられており、「滑らない」の工夫が施されているのがよくわかります。
インサイドとアウトサイドで異なるソールのブロック形状
ソールの話にはまだ続きがあって、上の写真を見てもらえればお分かり頂けると思いますが、インサイドとアウトサイドではブロック形状が異なっています。
角の丸いインサイドは次の一歩をスムーズに導きやすくする為で、角の鋭角なアウトサイドは確実に止まる為の工夫だと思います。
この様に、長年のトレランで養った経験に基づくモノ造りの結晶が「オリンパス5」には注がれているのです。
インソールの「こだわり」
アルトラ特徴のフットシェイプ以外、特に普通のインソールの様ですが、これにも「こだわり」を見つけちゃいました。
多孔と厚みの違いによる作用
底一面に形成された「穴」から汗を排出し、力が加わった際は潰れて衝撃を緩和させてくれます。
注目すべきは、後足部(踵)から前足部(つま先)に行くに従い、「穴」の大きさが小さくなっていることです。
更に!ソールの厚みが、前足部(つま先)に行くに従い、薄くなっていきます。
ということは?
どういう事なの???
ちょっと説明がややこしいので表にしますね。
足裏 | 穴の 「大きさ」 | インソールの 「厚み」 | インソールの 「密度」 | インソールの 「変形」 |
つま先 | 小 | 薄 | 高 | 低 |
中足部 | 中 | 厚 | 中 | 中 |
踵 | 大 | 厚 | 低 | 高 |
高価で重い衝撃吸収素材を幾層にも形成せず、穴の「大きさ」とインソールの「厚み」を変えることで、同等以上の効果をもたらしてくれます。
第一部のまとめ
情報が豊富で、気づけば長文になってしまいましたが、それだけ魅力あるシューズということです。
今後、実際の登山で検証していく訳ですが、印象がガラリと変化する可能性もあり得ます。
包み隠さずこの場でお伝えしていきますので、引き続きお読み頂けると幸いです。
今は6月の梅雨の時期なので、週末の晴れを狙って敢行してきます。
第二部は7月中にお送り予定です。
ではでは。
コメント
とても参考になります。
このシューズのレビューとしては1番の内容だと思います。
すみませんが、第2部を楽しみにしておりますが、どこにアップされていますか?
ワックスを塗って黒豹に変身した内容のものですか?
よろしくお願い致します。
矢来町様
お褒めのお言葉ありがとうございます。
また、第2部に興味を持って頂きありがとうございます。
第2部については目下執筆中です。
期間が開いてしまった理由としては、より厳しい環境下(テント連泊縦走)での登山が出来なかったからです。
それでも3,000m級の日帰りを始め、あらゆる路面コンディションでのテストが出来たと判断、このシューズの限界が知れたので執筆に踏み切りました。
出来上がり内容が矢来町様のご期待に添えるものか些か不安ですが頑張って完成させます。
もう少し時間を要しますがお待ち頂けると幸いです。
引き続き今後ともよろしくお願いいたします。
Ps.もしこのシューズの購入を考えられていたら、第2部をお読みなってからの方が良いかも知れません。
(手放しで最高のシューズとは言い難い部分が垣間見れました。)
第二部まだだったんですね。
自分は散歩用にオリンパス5を愛用しておりまして、加えて雨の日用にこのミッドカットも所有しております。
第二部で気になる部分をあげていただけるということなので、楽しみにしております。
ワックスがわりに「馬油」を塗り込んで「ちょっとだけ黒豹バージョン」にでもしてみようかなどと愚案を検討中です。
それでは第二部楽しみに待っています。