【山岳テント10選】データから導き出した最高のテントを決定します!

山の道具

これからテントを買われようとする方向けに、絶対に役立つ情報をお伝えします。この記事を見てから買っても遅くはありませんが、見ずに買うと後で後悔する!?かもしれませんよ。

こんにちは!サフィンです。

もう夏山シーズン真っ只中ですね。皆さんは既にどこかの山へ出かけられたでしょうか? 私は計画ばかりで行動に移せていません。ほんと日本は台風が多くて嫌になります。

さて、今回は冒頭でもお話しした通り各社テントの違いについて詳しくお伝えしていきます。ぜひご購入の参考になさって下さい。

はじめに。

私はちょうど1年前の夏に念願のテントを買いました。 その時、色々と調べた各モデルの特徴とか、どうして今のテントに決めたとか、これからテントを買われようとする方に向けて参考になればうれしいです。

※お手持ちの端末をクルッとヨコに持ち替えて見てみてね

上記表は主要とされる16モデルのスペック表になります。実はこれ、好日山荘の講習会「初めてのテント設営」(だったかな?)で頂いた物です。 (補足:オニドームは台形なのでタテ・ヨコともに平均値)

これだけでも主な特徴は見て取れるのですが、更に電子データ化し、欲しい情報を細分化・比較・グラフ化する事で、より明確な違いを解読する事に今回成功しました。(おい!大げさだな。。)

  

「登山テント」に求められるものとは。

詳細をお見せする前に、皆さんはテントに「何」を求められますか?

重量? 価格? 室内の広さ? 耐候性? どれも重要ですよね! 主だったところを簡単にまとめてみました。

  • 「重量」:重くて、嵩張るテントは次第と持っていくのが苦痛になる
  • 「丈夫さ」:稜線の突風にも耐えられるシンプルな構造がいい
  • 「4シーズン対応」:雪山への憧れ
  • 「日本製」:アフターフォローの充実

果たして、これらの希望を叶えてくれるテントはあるのでしょうか?

では実際に各モデルと照らし合わせていきましょう。

  

比較分析スタート!

まず初めに篩(ふるい)を掛けたのが「人数」です。

初めてテントを買われる場合、無難に2名用がおすすめです。 ここで16モデル→10モデルに絞りました。

※お手持ちの端末をクルッとヨコに持ち替えて見てみてね

では、じっくり各要素を見ていきましょう!

重量

上位と下位でペットボトル1本分の差があります。

「テント一式」がそもそも重いので500gの差でも非常に大きく感じます。

重量は使われる生地の厚みやその面積で変ってきますので、凝った構造ほど重くなる印象です。加えてアンダーシートを考慮すると、少しでも重量は削りたいです。

  

高さ

トレックライズ2が最も高く110cmあります。オニドーム2は最も低く98cmです。

天井が高いと広く感じられるでしょうが、風の影響を受けやすくもなります。

夜中に吹かれると怖くて寝てられません。中ほどのモデルが良いでしょう。

  

B/A(有効面積率)

この数値が高いほど「スペースに無駄が無い」と言えます。

ダントツで45%を誇るハバハバNXですが、外張りと内張りとの差が狭すぎると結露が内張りに付着し易くなるので要確認です。

ここで面白いのがワースト1&2をエアライズ1&2が独占している点です。Aフロア寸法に対し、B居住寸法が他のモデルより狭く、タテ・ヨコが共に「1/2」にまでスケールダウンしています。 稜線のテン場は概ね設置スペースが狭いので、場所だけ占領して中身が狭いのはちょっと考え物です。

  

本体の生地

アライテントは何れのモデルも生地がしっかりしていますね。その分重くはなりますが。

ここで特筆すべきはカミナドームの「7デニール」ですね。 もう「アレは何だ? 湯葉か?? オブラートか??? カミナドームだー!!」ってぐらいペラッペラです。(注:何のギャグか分からい子はコソッとお父さんに聞こう!)

(夏場は蚊帳替わりになって良いかも)

基本フライが本体を守ってくれるので極限まで薄い設定にしたのだと思います。

finetrack

わずか7デニールという目に見えないほどの極細糸を使用した、世界最軽量クラスのリップストップナイロン生地です。引き裂き防止(リップストップ)のための補強糸には30デニールを配列。生地を構成するベース糸の7デニールに対し4倍以上もの太い糸を配して強度を担保しています。
加えて、ベース糸、補強糸ともに高強力のナイロン66を使用することでさらなる強度を獲得。メイド・イン・ジャパンならではの高度な技術をもって、軽さと強度を高次元でバランスさせています。

  

フロアの生地

一番穴が開きやすい部分なので、各社強度には気を使っている感じです。(各社の変化が少ない)

アライテントは各モデルとも一律40デニールを採用し、それ以外は30デニールで横並びです。

40にしろ、30にしろ、単体だと簡単に穴が空きます。必ずグランドシートは持ち合わせたほうが良いです。

  

フライの生地

ここでも特筆すべきはカミナドーム2の「15デニール」でしょう。 他より少しでも薄くしたのは恐らく軽量部門でNo.1を奪取する為ではないでしょうか?(勝手な妄想。。)

但し、単に薄くしたのでは意味がありません、本体同様、ここにもファイントラックの「こだわり」が効いています。

finetrack

生地のベースとなるタテ糸とヨコ糸は、15デニール。
引き裂き防止のため碁盤状に配したリップストップ補強糸は、タテ・ヨコともに40デニール。いずれも厳選した国産のものを使用しています。 デニールとは、糸の太さを示す単位で、9000メートルあたりの糸の質量をグラム単位で表したもの。15デニールは、9000メートルで質量がほんの15g。極めて軽量な糸だということが分かっていただけるでしょうか。 素材は、高強力のナイロン66。一般的なナイロン糸に比べ強度、耐摩耗性に優れているため、タフさと軽さを備えることができます。

  

価格

使われてる素材は違っても、昔からテントの構造自体に大きな変化はありません。 2倍の価格差が適正か/否か私には分りません。 一つ言える事としては価格が2倍だからと言って、快適性(重量、収納サイズ)、安全性(丈夫さ、壊れにくさ)が2倍優れている訳では決してありません。

ただ、自然界において究極の選択を迫られる場合が少なからずあります。 その際に価格の違いが性能の違いとして顕著に表れるケースもあるのです。 現場で不必要なストレスを抱えたくない方はハイスペックなモデルも視野に入れておかれると良いと思います。

  

  

【総評】

それぞれに特徴があって一短一長、甲乙付けがたく、その評価方法をどうしようかと悩みましたが、各要素の順位の合計が最も少ないモデルをBMT(ベストマイテント)とする事にしました。

各要素1位が1ポイント、2位が2ポイント・・・その合計ポイントが少ないほど順位が高い

   

考察:其の壱

さすがアライテントですね。1位~3位を独占しました。「トレックライズ2(3位)」は購入候補に挙げていたのでうれしい結果です。 意外だったのがマウントギヤの「MTG-2」ではないでしょうか? そつなく各要素を高得点で潜り抜けた印象です。 「VL26(4位)」もこの時点で高順位に付けているので購入候補として有力です。 残念なのが「カミナドーム2(5位)」ですね。ハイスペックと引き換えに「価格」で順位を落としてしまっています。

   

考察:其の弐

テントに重要な要素の一つである「生地の丈夫さ」について、単純にデニールの数値が高いモデルから順位を付けましたが、先に示しました「技術の進歩」により、薄くて、軽くて、丈夫な生地であれば、この評価方法は適切とは言えないかもしれません。 よって「生地の丈夫さ」を選択要素から除外しました。 「トレックライズ2」が3→4位に順位を落とし、代りに「カミナドーム2」が5→2位へ台頭してきました。

現時点で1位と2位が不動ですが、どちらのモデルも人数が「1~(2)人」です。基本1人用の為、緊急時にどうにか2人が横になれるスペースしかありません。 よって候補から外します。

  

考察:其の参

最大の課題「価格」が、依然私の前に立ち塞がっています。ありきたりな表現で恐縮ですが、清水の舞台から飛び降りる覚悟で最期のリミッター「価格要素」を除外しました。

結果は当然のごとく「カミナドーム2」が1位、「VL26」もそれに乗じて2位に躍り出てきました。「ハバハバNX」も価格と重量を気にしなければ素晴らしいテントであることがお分かり頂けます。当初、私もMSRのテントを候補に入れていましたが、海外メーカは修理に問題(時間と部品調達)があると聞いたので候補から外しました。

   

(私にとって)初のテントが最初で最後になると思います。これからの数十年修理しながら使い続ける訳ですが、一つでも不満箇所があると、そのストレスを永遠に抱えながら日々を過ごす事になります。(いつもオーバーですみません・・)なので妥協はしたくありませんでした。

  

   

決定! BMT(ベストマイテント)!!

少々、リスキーな面もありますが、「カミナドーム2」を買いました。 専用のフットプリント(アンダーシート)まで合せると驚愕の7万円に迫る勢いです。補足としてペグがなぜか8本しか付属しておらず、後から4本追加購入してます。(ご注意下さい)

「さては総重量を気にして4本削ったなっ!」

ご参考までに、私は本体とフットプリントの間に「タイベックシルバー」をかましています。理由は本体の穴あき予防です。いくら引き裂き強度に優れていても、やはり生地自体は非常に薄いので、小石などによるピンホールは開きやすいと思います。

  

この辺り「カミナドーム」を買われた人は共通して神経を使う部分ではないでしょうか? 言うなればそこが唯一の弱点かも知れませんね。

  

安心が安く買える上、メッチャ軽量なので携帯しても苦になりません。↓

1年使用して感じたこと

良い点1

まず、骨組みのぐらつきが少ないです。実際いくつか他社のモデルも上から押し比べましたが、ダントツでシッカリしていました。

DAC社のポールを使用している為なのか、ファイントラックの設計者がすごいのか知りませんが、天頂部と底部とで弾性の違う異径ポールを採用しています。

それにより両端はほぼ垂直に立ち上り、中央で自然な弧を描くドームの様な形なっています。そのおかげで内部四隅まで有効に場所が使えます。端で寝ても内張りが体(シェラフ)に触れる事は少ないです。

良い点2

頭上付近の面積が広いので腰がメッチャ楽!  テント内で着替える際、中腰の姿勢を取りますが、膝立ちしても頭が天井につかえる事がありません。 試しに座った状態で手を天井に伸ばしてみましたが、届きませんでした。

良い点3

昔むかしある日のこと、テント場に着いた私を待ってました!とばかりに激しく降り出す雨・・・、次第と水たまりが所々に出来始めます。

急いで設営するあまりインナーとフライを水たまりに触れさせてしまいました。ただの水なら払えば済みますが、土砂交じりなのでファスナーが砂を噛んでしまって言うことを聞きません。

そこは天下のファイントラック。ここぞとばかり、存分に金にものを言わせます。

  

カミナドームのファスナーは、高価で特殊なビスロンファスナーを採用しており、少々、砂を噛んだぐらいでは破壊される様な事はありません。(注:何事にも程度ってものがありますので、そこは・・・)

私は一片の迷いも無く、「超高速開閉運動」により、砂を取り除く事に成功しました。(良い子は真似しちゃダメよ)

  

山では疲れてテン場に付くので気持ちに余裕がありません。分かってはいても道具の扱いが多少「雑」になってしまいます。この様な場合でも「カミナドーム」は素直に応えてくれます。

砂にまみれても低温降雪でもスムーズな操作性を失わないファスナー構造。耐久性と耐凍結性に優れ、泥や砂への耐性の高い、ビスロンファスナーを採用しています。(メーカサイトより)

良い点4

マジで撥水加工がエグい! 雨の日、友人のテント(アライ)と見比べましたが、友人も認めるほどの超絶撥水力でした。下手な防水スプレーは要りません。

なお、収納時はテント表面がスベスベなので付属の袋に入れにくいです。

  

悪い点

オプションのスノーフライとウィンターライナーが、これまた高いのなんのって。テント一式が買えちゃうお値段します。

「雪山やりたいのにこれでは手が出ましぇ〜ん・・・・・」

   

  

まとめ

毎年新製品が出る度に技術の進歩を感じます。ひょっとしたらカミナドームを超えているモデルが既にあるかもしれません。ただ、大半のテントはカミナドームにまだ追い付けていない様に感じます。

我々の満足の尺度は単にテントの性能ばかりではありません。壊れた部品の調達のしやすさや、修理のスピード対応など、アフターサービスの充実も重要なファクターです。

  

それらトータルバランスが優れている「finetrackのテント」なら安心して使い続けることが出来ますね。

今回は以上となりますが、皆さんはどう感じられたでしょうか?

今回の検証結果を参考になさって、今度はあなたにとっての最高の「BMT」を見つけて下さい。

では次回、またどこかのお山でお会いしましょう!

 

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