とある「春うららか」な秋晴れの日、ふとネットで見付けたナンガの新しいシュラフ「新アプローチシリーズ」について、既存モデルと比べて何が違うのか?どうしてここまで安いのか?(気になりますよね!?)
その辺り、サフィンが徹底解説致しますので、購入を検討されてる方は必見です!!
馴れ初め〜第一印象
ぼーーと、サイトを回覧していると、「ナンガ アプローチシリーズ? ふ~ん・・」
「ん!?」
え!? 24,241円??? ※450g
「何か、むっちゃ安くない!?」
NANGA(ナンガ) アプローチダウンスリーピングバッグ450
バランスに優れたエントリーモデルが登場!
今年、はじめて登山やキャンプなどのアクティビティにチャレンジされる方や
はじめて車中泊やツーリングなどにトライされる方、
以前よりNANGAのスリーピングバックに興味をお持ちいただいていた方々に向けて、
NANGA より、攻守ともにバランスの優れた
エントリーモデル、 「アプローチシリーズ」が登場です。
・生地:20×20 Denier Taffeta Nylon DWR(BLKカラーのみRipstop)
・内部構造:ボックスキルト構造
・ダウン量:German Duck Down 680FP 450g(ドイツ産)
・対応身長:~180cm
・収納サイズ:φ20×32cm
・総重量:約960g
・快適使用温度/下限温度:1℃ / -4℃
・企画 日本 、 製造 中国
説明欄を確認すると、素材は日本から送って、製造は中国で行っているとの事。
国内の本社工場は滋賀県の琵琶湖と伊吹山の間に挟まれた田園広がるのどかな場所にありますが、人件費を抑える為に、中国に生産委託したのでしょうか?
でも、人件費だけでここまで安くなるでしょうか? 確かに、名前に違わずアプローチ出来てるけどね。
ちょうど夏用のシュラフも欲しかったし、この際だから人柱も兼ねて購入してみることにしました。
その結果、色々と「低価格の秘密」が分ったのでご紹介致します。
限られた性能と価格のバランス
まずは、比較表からどうぞ。
No. | 項目 | 本家本元 2019年 AURORA 500 | 山渓別注 AURORA450DX オールブラック | アプローチダウン スリーピングバッグ450 |
1 | 生地 | 表地:オーロラテックス 裏地:40dn ナイロンタフタ | 表地:40dnオーロラテックス 裏地:40dnナイロン | 20×20デニール タフタナイロンDWR (BLKカラーのみRipstop) |
2 | 撥水 | ○ | ○ | ✗ |
3 | ダウン量 | 500g | 450g | 450g |
4 | 内部構成 | 表面:ボックスキルト 裏面:シングルキルト | ボックスキルト | ボックスキルト |
5 | 羽毛の種類と比率 | スパニッシュダックダウン80-20% | スパニッシュダックダウン90-10% | ジャーマンダックダウン +河田フェザーホワイトダックダウン |
6 | フィルパワー | 650FP | 760FP | 680FP |
7 | 快適/下限温度 | 1℃/-4℃ | 1℃/-4℃ | 1℃/-4℃ |
8 | 収納サイズ | φ21×28cm | φ17×29cm | φ20×32cm |
9 | 総重量 | 1,185g | 1,000g | 960g |
10 | ショルダーウォーマー | ○ | ○ | ✗ |
11 | ドラフトチューブ | ○ | ✗ | ✗ |
12 | カラー | レッド、パープル、イエロー、ODグリーン | ブラックのみ | オレンジ、グレー、ブラック |
13 | 価格 | 38,500円(税込) | 28,723円(税込) | 24,241円(税込) |
14 | 在庫 | ○ | ✗ | ○ |
この比較表をご覧になって、皆さんはどう感じられたでしょうか?
正直言って、性能、機能、共にスペックダウンしたと言わざるを得ません。逆に考えれば、それら機能を必要としない人にとっては、価格が安くなるのなら「ありがたい話」です。
メーカーが推す、この商品のターゲット層は「シュラフを初めて買う人たち」です。
私を含め「ナンガ=高価 ☆」のイメージを持つ人たちにもナンガの良さを広く知ってもらう為に、「性能を限定しコストで勝負」してきた攻めの商品です。
既存モデルと明確な区別意識をもって設計されたといえます。
理解はしても「残念感」は否めない?
価格と引き換えに犠牲にした性能の中で、サフィンを最もガッカリさせたのは「表生地」と「ダウン量」です。
表生地
「山渓別注AURORA」は80°〜105°程度を保っており、これまでダウンが濡れて困ったことは一度もありません。
それに引き換え、「アプローチ」の撥水角は30°〜45°程度と、明らかに「親水性」です。
これらを踏まえると「アプローチ」の表生地は撥水力の弱い薄いナイロンと判断出来ます。耐久性撥水(DWR)処理がされてはいるものの過信は禁物です。
以前サフィンは大雨の時、「アプローチ」のシュラフ本体を濡らしてしまい、むっちゃ焦りました・・・。
シュラフを入れる袋も同素材の為、完全防水のスタッフサックに変えておく事を強くお勧めします。
「アプローチ」だけではダウンの大敵である結露や雨の影響をもろに受けてしまいます。初めからシュラフカバーが必要なら、撥水処理がされたオーロラテックスを採用して欲しかったです。
但し、この表生地が「原価低減の要」だと思われるので、難しい選択だったと勝手に予想してます。
プチ情報ですが、「アプローチ」のスタッフサックは デカイ です。シュラフを仕舞いやすくて良いのですが、本来はもっとコンパクトになります。もしかしたら「アプローチ600」と兼用なのでしょうか。。。
ダウン量
続いてダウン量ですが、太陽に透かせてみると、かなりスカスカです。450gってこんなものでしょうか?
表で示した「No.5:羽毛の種類と比率」でも判るように、同じ450gでもその中身には違いがあります。
コスト削減の為に妥協した部分とはいえ、ちょっと残念に思いました。
ダウンの質
使われているダウンの種類についても少し触れておきます。
中身を破って確認した訳ではないので断定は出来ませんが、「アプローチ」はダウンの割合が他の既存モデルと比べ少ないかもしれません。
これも比較表「No.5:羽毛の種類と比率」から分かる通り、「アプローチ」にはダウンとフェザーの比率が示されていません。(※サイトを回覧しましたが見つけられませんでした)
「ダウン」の量は本家本元や山渓別注より少ないと判断してよろしいかと思われます。
これらも「原価低減に直結」する項目なので、手が加えられたのだと勝手に予想します。
その他の原価低減箇所
ショルダーウォーマーの廃止
「アプローチ」には「ショルダーウォーマー」が有りません。これは肩までをスッポリと覆って外気を入れないように口を絞る機能です。必ず使う機能なので省略されてしまい残念に思います。
日本パッチの廃止
日本製の品質を誇れるパッチでしたが、「アプローチ」には付いていません。
ベルクロが一つに簡略化
サイドジッパーを引き上げた先にあるベルクロが2つから1つに省略されました。
吊り下げロープの廃止
サフィンは使うことが無いので別に困りませんが、足元に吊り下げ用のロープが普通の?シュラフには付いていますが、「アプローチ」には付いていません。
改めて「アプローチシリーズ」を考察
メーカーのターゲット層は「シュラフを初めて買う人たち」です。確かにコストを下げる事でお求めやすくはなりましたが、別途、シュラフカバーが絶対に必要 になるので、それと合わせるとトータルの出費は「山渓別注AURORA DX」と同等になり、性能は「ショルダーウォーマー」が無い分、劣ってしまいます。
ただし、そんなマイナスポイントなんてどうでも良く思えてしまうほど、安く買える時があったのです。
通常価格 24,241円(税込)が、
確か・・・
30%オフ 16,969円!!
もう二度とそんなセールスしないだろうけど、「某山系オンラインストア」で見かけた時は、我が目を疑いました。
現在の最安値は楽天山渓で「12月9日までの対象者限定クーポン2,130円OFF」を利用すれば、22,111円が最安値になります。
【追記】再び、30%?OFF キターー!!
まとめ
今回はいかがだったでしょうか? いたずらに安さばかりを追い求めても山という特殊なフィールドでは、必ずしも正解とは言えません。
それらを理解、許容出来るレベルの人には恩恵がありますが、これから山を始めようとしている人には「微妙」に感じられました。
あくまで私個人の意見なので賛否両論あろうかとは思われます。皆さんでその答えを見つけて欲しいです。
題名にある「実はとっても〇〇な奴」には、私なら「微妙」を入れますが、皆さんならどんな「言葉」を入れますか?
よかったらお聞かせ下さい。
「山渓別注AURORA DX」についてもっと詳しい情報はこちら↓
【感想】山渓別注ナンガオーロラ600DXダウンシェラフ「約束された安眠をあなたに。」
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